NAZELAB(ナゼラボ)で開催された、Chichibu Coffee Presents 「コーヒーってなんだ?」の講演会。
聴き終えてみると余計に、副題の「Beyond the Cup」が心にしみます。
エチオピアのコーヒー生産現場で、現地の人々と一緒に働きながら、品質向上に尽力されているスペシャリスト浅野文章さんのお話。
現地でのコーヒーの飲み方から和気藹々とスタートしたけれど、最貧国としての現状を伺うと、「美味しいね〜!」と喜んでいる場合ではない。
一杯のコーヒーの向こう側に、信じられない現実が詰まっていました。
・ニューヨークの先物取引市場で値段が決められるため、作っている自分達でコーヒー豆の取引金額が決められない。
・他の作物を栽培する環境が整っていないため、コーヒー価格の暴落によるリスクヘッジができない。
・人々の年収は約3万円。働いて稼ぐという概念がない。
・電気ガス水道が普及しておらず、電波も不安定。
・骨折しても病院まで運ぶ車がない(半径70kに1台程度)。
・内戦を繰り返していて、同一国内でありながら、隣の地域と仲が悪い。
… 伺っていると、日本の江戸時代を彷彿とさせる。
それでも浅野さんは、「エチオピアでしか暮らせない。日本に来ると耳鳴りが始まり、エチオピアに戻ると耳鳴りは消える。日本で癌と診断されたが、今では癌も消えてなくなった。」と。
コーヒーの話だけにとどまらず、「カルチャーショックとはこのことだな…」と思えるほどの、私にとっては衝撃的なお話でした。
「文明って何?」「生活の向上?」「そもそも幸せとは?」
最後の最後に焚き火を囲んで、しみじみと…。
横瀬の富田町長・井上副町長はじめ、清野市長、小鹿野町の持田副町長もいらっしゃって、またまた横瀬で貴重な体験ができました。
お声がけいただき、有難うございました☕️